神奈川県の行政文書や職員評定、納税情報などの重要な個人情報が記録されていたHDDが委託業者「ブロードリンク」の社員が転売したせいで外部に流出したという事件が起きました。
このニュースを聞いてパソコンにくわしくない方は特にショッキングだったと思います。
またショッキングなのが、問題の転売社員が所属していたブロードリンクの主要取引先が名だたる企業や官公庁が多いということです。
今回はブロードリンクについてと、個人でパソコンを処分する時のワンポイントアドバイスをまとめました。
ブロードリンク社長の榊彰一氏の経歴プロフィール
ブロードリンク 榊彰一社長 pic.twitter.com/D61mrtzkSj
— PovertyJavelin (@PovertyJavelin) 2019年12月5日
榊彰一社長は大阪で育ち、小中学校の頃は勉強しなくてもほぼ満点が取れる子供だったそうです。
ただ高校になるといろんな学校から成績のいい子たちが集まるためトップは取れず、遊びに夢中になってしまったんだとか。
大学受験でも自己流で勉強したものの浪人、次の年は神頼みせず頑張ったところ合格されたそうです。
やると決めたらやる、実現するという意思が固い方のように見えますね。
自分では理系が得意だと思っていたことと、青春を満喫したい気持ちで女の子の多い農学部に入学。
でも農学部の研究実験をやってみると自分には理系が向いていないと気づいたそう。
周りがちらほら成果を上げているのになぜ自分はできないのか、これではノーベル賞は取れないと思って以降文系に方向転換したそうです。
大学卒業後は大手生命保険の会社に入社。
エリート支社にも配属され4年半働くもTOPに立つためにここで何年もいられるかと考え、ブロードリンク専務の村上氏とたった2人でブロードリンクを立ち上げたそうです。
榊彰一社長は自分で営業しながらお客さんの信頼を獲得、初年度から1億円の売り上げとか!
その当時はまだホームページ制作会社が無かったり、中小企業にもパソコンが浸透していなかったそうで、その層にもパソコンを広めるためにリースバックのパソコンを中古販売するという戦略を考えたとのことです。
榊彰一社長には先を見通す目があったということでしょうね!
自分で道を切り開いてきた榊彰一社長は今の若者にも「自分で主体性を持って能動的に動いていかないと」と熱いメッセージを送っています。
ブロードリンクの主要取引先一覧まとめ
今回ブロードリンクの社員が転売したのは神奈川県庁のHDDだったわけですが、もしかすると取引先の中のどこであったとしても不思議ではないですよね。
取引先企業はショックではないでしょうか・・・。
以下がブロードリンクの主要取引先です。
- マイクロソフト
- 東京センチュリー株式会社
- 富士通リース株式会社
- 三井住友ファイナンス&リース株式会社
- 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社
- オリックス環境株式会社
- リコーリース株式会社
- JA三井リース株式会社
- 株式会社芙蓉総合リース
- 日本アイビーエム株式会社
- 株式会社三菱東京UFJ銀行
- 株式会社三井住友銀行
- 朝日生命保険相互会社
- 三井住友海上火災保険株式会社
- 損害保険ジャパン日本興亜株式会社
- 株式会社東京証券取引所
- 大和証券株式会社
- 岡三証券株式会社
- みずほ証券株式会社
- SMBCコンシューマファイナンス株式会社
- 日産自動車グループ各社
- 三菱重工業グループ各社
- 株式会社デンソー
- 富士フイルムホールディングス株式会社
- 中国電力株式会社
- 東北電力企業グループ
- 清水建設株式会社
- 株式会社長谷工コーポレーション
- 日本郵政グループ各社
- 東日本旅客鉄道株式会社
- 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
- 株式会社ファーストリテイリング
- 最高裁判所
- 防衛省
- 官公庁・地方自治体
生命保険会社や証券会社は直接顧客の重要情報を扱っていますし、リース会社の先にはその取引先がたくさんいるはずです。
また官公庁や地方自治体としか書かれていませんが、神奈川県庁以外にも国の機関のサーバー管理もしていた可能性があります。
もちろん転売した社員が1番悪いのは間違いないですが、このような社員の管理は会社としてどこまでできるものなのか考えてしまいました。
神奈川県庁のHDD流出の経緯まとめ
- 富士通リース:神奈川県庁にサーバーをレンタルしていた会社
- ブロードリンク:富士通リースがHDDのデータを完全に復元できないようにする作業を委託した会社
神奈川県庁のデータを保管しているサーバーのHDDの交換時期が来る
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富士通リースでHDDを交換(交換の際にHDDの初期化は行っていた)
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交換した個人情報などのデータ入りHDDを完全に復元できないようにする作業を「ブロードリンク」に委託
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ブロードリンク内で社員が当該HDDを無断で持ち出し、転売
↓
IT会社が当該HDDを仕事用に落札、使用するため中を見てみると個人情報などのデータがあることに気づき通報
↓
データ流出発覚
HDDの交換の時に初期化は行っていたとのことですが、初期化しても見えなくなるだけでデータ自体は消えていません。
完全にデータを復元できないようにするには、専用のソフトで大量の意味のない情報を上書きするか物理的に破壊するしかないんですね。
そこの作業をするはずのブロードリンクで実際には作業せず転売されてしまっていたという経緯です。
今回は転売されたHDDを購入した方がデータに気づき通報してくれたため発覚しましたが、もしこれが悪い人の手に渡っていたら発覚することなくデータは売り飛ばされて世界に流出していた可能性もあるわけです。
通報してくれる人だったというのが不幸中の幸いというのもおかしいですが、データ処理や中古パソコン売買の信用に関わる大問題と言わざるを得ません。
個人でパソコンを手放す時の注意!HDDは専用ソフトで大量上書きか取り出す!
最近は個人でも使っていたパソコンを売ったり、処分することも多いですよね。その際もしっかりデータを管理する必要があります。
パソコン上で初期化をしてもHDDやSSDの中身は残っています。
パソコンを売却したり処分する時には以下の方法でしっかりデータを復元できないようにしましょう。
- 専用ソフトで意味のないダミーデータを上書きして元の情報を見えなくする
- パソコンから取り出す
専用ソフトというのはこのようなものです。
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このようなソフトを利用すると物理的に取り出したり破壊しなくてもデータを復元できないようにしてくれます。
HDDやSSDを取り出さず少しでも高く売却したい方や、取り出せない機種を処分する際は必須作業ですね。
またはHDDやSSDを取り出せる場合は取り出してしまうのが確実です。
取り出したHDDやSSDは破壊することで完全にデータも破壊できますが、HDDの破壊は部品が飛び散ってケガをすることがあるので業者に依頼したほうが安全です。
その際もしっかり破壊したかどうかを見せてくれる業者もあるので、そういう所を選ぶといいですよ。
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