ネット社会の今、新手の犯罪が横行しているようです。
初めはドコモ口座と聞いて「え?ドコモってゆうちょみたいに銀行もやってたっけ?」と一瞬考えましたが、どうやらそういうことではないようです。
- そもそもドコモ口座とはなに?
- なぜ残高マイナスになるまで被害が出てしまうのか
- 対処法はあるのか
これらをまとめて見ていきたいと思います。
もくじ
そもそもドコモ口座とは?
ドコモ口座とはインターネットやドコモ口座のアプリからお買い物や送金できるサービスです。
dアカウントを作成すると身分証明書の提示も必要なく簡単に誰でもドコモ口座を開設することができるようです。
d払い、ドコモ払いの電子マネーとしても使えるので、コンビニや加盟飲食店での支払いにも利用することができます。
必要な分だけ登録した口座(ご自分の登録した銀行口座)からチャージして使うことができるので、使いすぎることも少ないというこれだけ見ると便利なサービスです。
ではなぜこんなに便利なシステムで、こういった被害がでてくるのでしょうか?
ドコモ口座で被害にあう手口の例
「1日に約1万3000件の取引がある。既存顧客のサービスを止めると影響が大きい」とNTTドコモ。ドコモ口座は17の銀行で引き続き利用でき、預金の不正引き出しが起きるリスクあり。被害額は約2000万円に拡大しました。https://t.co/PjNCjQKanf
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) September 11, 2020
予測される手口はこうです。
ドコモ口座を開設した人は通常、自分の銀行口座を登録をします。
しかし犯人は被害者の名義で勝手にドコモ口座を開設、どこからか入手した他人の個人情報(銀行の口座番号、暗証番号も含む)を登録してしまうという手口です。
現状ではドコモ側、銀行側双方にセキュリティの穴があったことが指摘されています。
- ドコモ口座が本人確認が甘いままで作れてしまう状態だった
(フリーアドレスでOK、SMS認証無) - 銀行を登録する時、口座番号・生年月日・暗証番号だけで登録できる状態だった
ただ、不思議なのが「引き落された口座を記帳してみると、なんと残高がマイナスだった」
という声がTwitterに上がっていました。
口座がマイナス???
一体どういうことなのか見ていきたいと思います。
ドコモ口座の被害報告で残高がマイナスになっている!
実際にTwitterでこのような投稿を見かけました。
【悲報】
ドコモ口座の件残高ゼロでもアウト pic.twitter.com/r7eRK0vl2Q— 令和速報 (@Reiwa_Sokuhou) September 9, 2020
「ドコモコウザ」から引き落としがかかっています。
しかもよく見ると残高がマイナスに…!(汗)
しかしここで疑問に思う人もいるのではないでしょうか?
「通帳記帳したとき、マイナスなんて見たことない!」
「マイナスって、借金ってこと??」
「もしかして無限にマイナス地獄??」
私も実は友人が新居を建てたときに参考がてら、銀行からの借入の話を聞くまではこの意味が全く分かりませんでした。
普通に何か引き落としで残高が足りない時はマイナスにならずに引き落としもできないですよね?
では、口座がマイナスとは一体どういう状態なのか?についてみていきたいと思います!
ドコモ口座の被害で残高がマイナスになる場合
一般的に引き落としの額が不足しているときは残高不足となり、引き落としができません。
それは1円でも足りなければ対象です。
なのになぜ、マイナスで払い続けられるのか?
実はほとんどの銀行には「自動貸越サービス」というものがあります。
実は大手銀行だけでなく、地方銀行にもこのサービスが存在するところもあります。
自動貸越サービスのメリットはこちら。(通常時)
- 急な出費で引き落としが間に合わない!というシチュエーションを防げる
- 少し予算オーバーだけど欲しいものが一括で買える
- 銀行によっては無担保融資よりも低金利で融資が受けられる
などなど…
ただ、だからといって無限というわけではありません。
もちろん、借りたお金は返さなくてはなりません。
借金を肩代わりしてくれるだけで、もちろん金利も発生しますし魔法のアイテムというわけではありません。
ちなみに貸越の限度額ですが、各銀行によって異なるので一概には言えませんが、数十万〜数百万の単位です。
少し話が逸れてしまいましたが、この自動貸越サービスを利用している(設定している)口座はある程度まではマイナス(=自動で借り入れ)にすることができるんです!
これがドコモ口座の被害で残高マイナスになってしまった理由です。
では今回のドコモ口座に関わらず、こういった被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか?
被害を未然に防ぐ方法についてまとめてみました!
ドコモ口座残高マイナス被害を防ぐ方法は?【対処方法】
現在の状況(2020年9月12日現在)として、ドコモ口座と銀行の新規の連携は中止されています。
しかし既に作られていて銀行も登録されているドコモ口座へのチャージ(銀行から出金)は止められていません。(個人的にはここを止めて欲しい)
そのため犯人にドコモ口座を勝手に作られて銀行を登録されてしまっていたら、またいつ被害に遭うか分からない状態なのです。
そして大事なのが【ドコモのケータイを使っていない】【ドコモ口座を自分は作ってない】という方も関係なく被害に遭う可能性があることを知ってください。
自分はドコモじゃないから大丈夫!というわけではありません。
ドコモ口座と連携できる銀行に口座を持っている人全員が被害に遭う可能性があります。
ただ残念なことに、私たちができる対処方法は少ない上に確実な方法も無いのです。
(だからドコモにはチャージ自体をできなくしてほしい)
私たちができる対処方法はこちらです。
ただ「リバースブルートフォース」という方法で犯人側も膨大な総当たり攻撃をするとされていて、暗証番号を変えても100%安心ではないのが困ったところなんですよね。
口座番号 0000000 に対して 暗証番号0000 0001 0002 0003…ってやってくとすぐロックかかるけど、暗証番号0000 に対して口座番号 0000000、0000001、0000002…ってやってけば暗証番号0000に設定してる口座が見つかるだろうっていう それが試せるようになってるドコモ口座さん
— むき🌥️ (@mukai3) September 9, 2020
今のところこまめに銀行口座を確認して、被害があれば申し出るしかないのが現状です・・・。
今回のまとめ
私もゆうちょ銀行に口座があるのですぐ記帳に行きましたが、その時までは被害はありませんでした。
ただ今後も安心できないのが不安過ぎるので、やはりドコモにはチャージ自体をできないように停止してほしいですね。
2020年9月11日現在、ドコモ口座の被害額は1,990万円(12銀行で73件)にまで及んでいます。
9月11日の前日、9月10日までの被害額が1,800万円(11銀行66件)だったのに対し、たった一日で190万円(1銀行7件)の被害拡大が明らかになりました。
私たちがどんなに気を付けていても、サービスを提供する企業側の情報保護システムに不備があったり、私たちにも企業側にも落ち度がなくとも、ハッキングのようにセキュリティをかいくぐり、情報を盗む加害者もいます。
個人的にはそこは100%守れないものだと思っているので、何か起こった時の補償体制を議論する必要があると思っています。
とりあえずできる「こまめな口座の確認」をしていこうと思います。
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